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【彼岸花の不思議な魅力】

2023.09.17 日曜日

日本の秋に咲く彼岸花は、

一見するとただの美しい赤い花に見えますが、
その背後には深い意味と不思議な魅力が隠されています。

 

彼岸花の名前は、秋の彼岸の時期に咲くことから来ており、
「曼珠沙華」や「曼荼羅花」とも呼ばれるこの花には、

仏教的な背景があります。

 

また、この花には、一歩間違うと命を奪うこともある

強烈な毒を持っています。

 

仏教において、彼岸は「向こう岸」を意味し、

悟りや菩提を示す場所とされています。

 

一方で、彼岸花はこの世とあの世の境界に

咲く花とも言われており、

 

その存在自体が両界の狭間を歩むかのような

不思議な魅力を放っています。

 

そして、その美しさの裏に潜む毒の存在。
この二面性が彼岸花の魅力を一層高めています。

 

彼岸花は、生と死、善と悪、浄と穢れ、
そのすべての狭間に存在する花とも言えるでしょう。

 

このような深い背景を持つ彼岸花を目の前にすると、
私たちは生きとし生けるもののはかなさや、
この世のすべてのものが持つ二面性を感じることができます。

 

彼岸花は、その不思議な魅力で私たちを引き込み、

深い哲学的な考察へと導いてくれるのです。

そんな彼岸花には日本各地に様々な物語が残されています。
その中でも私のお気に入りの物語をご紹介します。

 

『天と地の恋物語』

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昔々、天界に美しい天女と、地上に勇敢な青年が住んでいました。
ある日、天女が舞い降りる姿を青年が目撃し、

ひと目見て恋に落ちました。

 

天女もまた、地上の青年に心を奪われました。

 

しかし、天界と地上という違う世界に生きる二人は、
なかなか出会うことができず、ただ見つめ合うだけの日々が続きました。

 

ある日、天女は地上へと舞い降り、

青年と一時の時間を共に過ごすことができました。

 

しかし、彼女が天界に帰らなければならない時が訪れ、

二人は涙の別れを迎えました。

 

別れ際、天女は青年に一輪の赤い花を渡し、

「私たちの愛を忘れないで」と伝えました。

 

その後、青年は天女との約束を守り、

毎年秋になるとその赤い花を手にして天を仰ぎました。

 

人々はその花を「彼岸花」と呼び、恋人たちの間で

愛の証として贈り物とされるようになりました。

 

村の古老たちは今も、秋の夜空に星として輝く二人の姿を見上げ、
「真の愛は時や場所を超えて続く」と語り継いでいると言われています。

 

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彼岸花にまつわる物語は、多くが死や別離をテーマにしていますが、
この、「天と地の恋物語」は異なります。

この物語は永遠の愛や運命の出会いを中心に紡がれており、
心温まるエッセンスが詰まっています。

私は、そのような希望に満ちた彼岸花の伝説を特に気に入っています。
彼岸花の鮮やかな赤が、愛や情熱を象徴するように思えてなりません。

 

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