萌木の村のナチュラルガーデン|日本庭園と本質が同じと感じた理由を庭師が解説

オモシロ植木雑学

山梨県北杜市・清里にある「萌木の村」。

2026年8月8日、萌木の村の敷地に広がるナチュラルガーデンズMOEGIを歩きました。

色とりどりの草花が入り混じり、まるで森や野原の一部をそのまま切り取ったような風景が続きます。

一見すると、石や松、苔などを使って構成される日本庭園とは、まったく違う庭です。

しかし庭師として歩いているうちに、

「表現方法は違っても、ナチュラルガーデンと日本庭園は本質的にはかなり近いのではないか」

と感じました。

この記事では、実際に萌木の村を歩きながら感じた、日本庭園との共通点や、自然に見える庭をつくるための考え方をご紹介します。

萌木の村「ナチュラルガーデンズMOEGI」とは

萌木の村は、山梨県北杜市高根町清里にある複合施設です。

敷地全体では、2012年からランドスケープデザイナーのポール・スミザー氏監修による庭づくりが進められ、約32,000㎡の中に700種を超える植物が育つ「ナチュラルガーデンズMOEGI」が整備されています。

特徴的なのは、単にたくさんの花を植えて華やかに見せるのではなく、その土地の環境に合った植物を使い、自然の仕組みを生かしながら庭をつくっていることです。

公式情報では、完全無農薬・無化学肥料による管理が行われていることも紹介されています。

ただ、今回私が特に面白いと感じたのは、無農薬という管理方法そのものよりも、

「自然をどう庭として表現しているのか」

という部分でした。

動画で実際の様子を確認

動画では、2026年8月8日のナチュラルガーデンズMOEGIを実際に歩きながら、植物の配置、人が歩く場所との境界、建物や石垣との関係などを観察しています。

そして庭師として、このナチュラルガーデンと日本庭園にどのような共通点を感じたのかをお話ししています。

動画を見る際の注目ポイント

・植物だけでなく「人が歩く場所」との境界を見る
・自然に見える植栽が、どのように構成されているかを見る
・日本庭園との表現方法の違いを比べてみる

ナチュラルガーデンと日本庭園は何が似ているのか

見た目だけを比較すると、両者はかなり違います。

日本庭園では、石や水、樹木などを使い、山や川、自然の風景を限られた空間の中に表現することがあります。

それに対してナチュラルガーデンズMOEGIを歩いて私が感じたのは、自然の一部分を写真のように切り取り、その景色を庭の中へ広げていくような感覚でした。

日本庭園が自然を凝縮したり抽象化したりして表現するとすれば、ナチュラルガーデンは、より写実的に自然を再現している。

表現方法は違います。

しかし、

「自然をよく観察して、人の暮らす場所の中に自然を表現する」

というところまで掘り下げると、本質はとても近いように感じます。

これが今回、私が一番伝えたかったことです。

自然に見える庭ほど、人の意図が入っている

ナチュラルガーデンという言葉から、

「植物を自由に伸ばしている庭」

という印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし実際に歩いてみると、決して放任されているわけではありません。

動画でも注目したのが、人が入る場所と、植物が育つ場所の分け方です。

通路は人が歩く。

その外側は植物の領域にする。

非常に当たり前に聞こえますが、この境界があることで、人が植物を踏み荒らすことを防ぎながら、植物側には自然に広がっているような景色をつくることができます。

つまり、自然に見える景色の裏側には、かなり明確な設計があります。

建物まで含めて「庭」になっている

もう一つ面白かったのが、植物だけで庭が完結していないことです。

萌木の村には、レストランやショップなど複数の建物があります。

それらが庭と分離して存在するのではなく、植物の中に建物が点在しているように見えます。

石垣や道、建物、人の動線まで含めて一つの景色として考える。

この感覚も、日本庭園と共通するところがあると感じました。

庭を見るときは、つい「どんな植物が植えてあるか」に目が向きます。

しかし、

どこを人が歩くのか。
どこから植物の世界が始まるのか。
建物が景色の中でどう見えるのか。

そんな視点で観察すると、庭の面白さが一段深くなります。

「剪定したことが分からない」が理想

庭師としてもう一つ感じたのが、剪定との共通点です。

自然風の庭で木を剪定するとき、私自身が理想とするのは、

「剪定したことが分からないくらい自然な姿」

です。

きれいに刈り込んだことが一目で分かる木もありますが、自然な樹形を生かす場合は、人が手を入れながらも、その痕跡をなるべく感じさせない。

ナチュラルガーデンズMOEGIの庭づくりにも、それに近い感覚を感じました。

自然に見えるものほど、実は人が自然をよく観察した結果なのかもしれません。

生物多様性を育む庭としても評価

ナチュラルガーデンズMOEGIは、2025年に環境省の「自然共生サイト」に認定されています。

萌木の村の公式情報では、植物だけでなく、昆虫や野鳥、爬虫類、土壌微生物などを含めた生物多様性を育む場所として評価されています。

美しい庭をつくることと、生き物が暮らせる環境をつくること。

この二つを別々に考えないところも、これからの庭づくりを考えるうえで興味深い部分です。

萌木の村を訪れるなら庭全体を見てほしい

萌木の村は、山梨県北杜市高根町清里3545にあります。

施設内には駐車場が用意されていますが、各店舗の営業時間やイベント開催状況は変わる可能性があります。

訪問前には、萌木の村公式サイトで最新情報を確認するのがおすすめです。

萌木の村を訪れたら、花の美しさだけでなく、

「なぜここが自然に見えるのだろう?」

という視点でも庭を歩いてみてください。

植物の種類だけではなく、人の歩く道、植栽との境界、建物の位置などにも目を向けると、また違った景色が見えてきます。

よくある質問

Q.ナチュラルガーデンズMOEGIは誰が監修しているのですか?

ランドスケープデザイナーのポール・スミザー氏が監修しています。

2012年から庭づくりが進められ、萌木の村の敷地全体に多種多様な植物が育っています。

Q.農薬は使っていないのですか?

萌木の村の公式情報では、ナチュラルガーデンズMOEGIは完全無農薬・無化学肥料による管理が行われていると紹介されています。

今回の動画では、この点を中心テーマとしてではなく、庭づくりの特徴の一つとして紹介しています。

Q.日本庭園とナチュラルガーデンは同じものですか?

同じ庭園様式という意味ではありません。

今回「本質は同じ」と表現しているのは、私が庭師として現地を歩いて感じた考えです。

見た目や表現方法は異なりますが、自然を観察し、その魅力を人の暮らす空間の中へ表現するという部分に共通するものを感じました。

まとめ

萌木の村のナチュラルガーデンズMOEGIを歩いて感じたのは、自然に見える庭ほど、自然をよく観察してつくられているということでした。

ナチュラルガーデンと日本庭園。

見た目は大きく違いますが、自然をどう読み取り、どう人の暮らしの中へ取り込むのかという視点で見ると、意外な共通点が見えてきます。

次に庭園や公園を訪れたときは、植物だけでなく、人の通る道や建物、植物との境界にも少し目を向けてみてください。

今までとは違った庭の見え方がしてくるかもしれません。

最新の記事

植木のご相談・お問い合わせ

植木の里親やお庭づくりやお手入れなど、植木に関することはお気軽にご相談ください。

LINE公式アカウント
LINEでお問合わせ