ピーターラビット イングリッシュガーデンを庭師が歩く|「自然に見える庭」の秘密

オモシロ植木雑学

山梨県の富士本栖湖リゾートにある「ピーターラビット™ イングリッシュガーデン」を、2026年8月6日に訪れました。
春の「富士芝桜まつり」で知られる場所ですが、芝桜の季節が終わった夏にも、約300種類の草木や花々が広がる英国式庭園を楽しむことができます。
今回、庭師として歩いていて特に面白いと感じたのが、
「自然に見える庭は、本当に自然なのだろうか?」
ということでした。
植物が自由に伸びているように見えても、そこには人の意図があります。
私なりに表現するなら、イングリッシュガーデンの面白さは「放置された自然」ではなく、「人が思い描いた理想の自然」を庭として表現しているところにあります。
ピーターラビット™ イングリッシュガーデンとは
ピーターラビット™ イングリッシュガーデンは、山梨県南都留郡富士河口湖町の「富士本栖湖リゾート」内にある英国式庭園です。
2022年4月16日に開園しました。
庭園のデザイン監修を手掛けたのは、英国リンカンシャー出身のガーデンデザイナー、マーク・チャップマン氏。
園内では約300種類の草木や花々とともに、ピーターラビットをはじめとするキャラクターや、『ピーターラビットのおはなし』の世界観を楽しむことができます。
庭園だけではなく、ストーリートレイル、ショップ&ギャラリー、展望塔なども設けられています。
動画で実際の様子を確認
動画では、2026年8月6日の実際の庭園を歩きながら、ピーターラビットの世界観、植物が成長して庭に馴染んできた様子、そして「自然らしい庭はどのように作られているのか」を庭師の視点から観察しています。
写真だけでは分かりにくい園内の空間のつながりや、実際に歩いたときの静けさも、ぜひ映像でご覧ください。

動画を見る際の注目ポイント
直線ではなく、自然に見えるようにつくられた植栽や空間のライン
開園から4年を経て、植物が周囲の環境に馴染んできた様子
ピーターラビットの世界観と植物がどのようにつながっているか
イングリッシュガーデンは「放置された庭」ではない
今回、私が最も伝えたかったのがここです。
イングリッシュガーデンの自然らしい景色を見ると、
「植物を自由に伸ばしているのかな」
と思うこともあります。
しかし、自然らしく見えることと、何もしないことは同じではありません。
歴史的な英国のランドスケープガーデンは、幾何学的で左右対称な構成を特徴とするフランス式庭園とは異なり、不規則さや自然を思わせる景観を取り入れて発達してきました。
つまり「自然っぽく見える」ということ自体が、庭のデザインの一部なのです。
実際の自然には、完全な左右対称や、定規で引いたような直線はほとんどありません。
だからこそ、人が庭の中で自然らしさを表現しようとすると、かえって難しい。
曲線をどこに持っていくのか
植物をどこまで伸ばすのか
どこを整理して、どこを残すのか
そうした判断の積み重ねによって、庭の景色がつくられていきます。
開園から4年。庭そのものが育っている
ピーターラビット™ イングリッシュガーデンが開園したのは2022年4月。
今回訪れた2026年8月で、開園から4年以上が経過しています。
庭は完成した瞬間が完成形ではありません。
植えられたばかりの植物はまだ一株一株が独立して見えますが、年数を重ねると枝葉が伸び、隣の植物との関係が生まれ、その土地の環境にも馴染んでいきます。
今回歩いていても、植物が育ったことで庭全体に厚みが出て、「この庭の顔」ができてきているように感じました。
建築物とは違い、植物を使った庭は毎年姿が変わります。
数年前に訪れた人がもう一度歩いてみるのも面白い場所だと思います。
ピーターラビットの世界観を植物でつなぐ
公式サイトでは、この庭園について『ピーターラビットのおはなし』絵本シリーズの世界観を楽しめる場所として紹介しています。
園内にはキャラクターを配置するだけではなく、細い道を歩きながら物語を楽しむ「ピーターラビット™ストーリートレイル」などもあります。
今回実際に歩いてみても、「ピーターラビットのキャラクターが置いてある庭」というより、植物や道、施設を含めて一つの世界を作ろうとしている印象を受けました。
庭園では、植物だけを見るのではなく、
「なぜこの場所に、この植物があるのだろう」
「この道を曲がった先に何を見せたいのだろう」
という視点で歩いてみると、設計した人の意図が少し見えてきます。
夏休みなのに、驚くほど静かだった
訪問したのは2026年8月6日。
夏休み期間ということもあり混雑を予想していましたが、私が散策した時間帯は驚くほど人が少なく、30分ほど庭をほぼ一人で歩くことができました。
これはあくまで今回訪れた時間帯の状況なので、いつでも空いているとは限りません。
それでも、春の芝桜シーズンとは違う富士本栖湖リゾートの楽しみ方として、夏の庭園散策はかなり魅力的だと感じました。
2026年に訪れる人へ
2026年のピーターラビット™ イングリッシュガーデンは、公式サイトで4月11日から11月23日までの開催予定と案内されています。
また、2026年8月28日までは入園料・駐車場ともに無料です。
所在地
山梨県南都留郡富士河口湖町本栖212
富士本栖湖リゾート
なお、公共交通機関を利用する場合、富士芝桜まつり・虹の花まつりの開催期間以外は、最寄りの「県境」バス停から徒歩約20分と公式サイトで案内されています。
カフェは2026年8月10日現在休業中で、8月29日の「虹の花まつり」から営業再開予定となっています。
訪問前には、営業状況や開催情報を公式サイトで確認することをおすすめします。
よくある質問
Q.ピーターラビット イングリッシュガーデンはどこにありますか?
山梨県富士河口湖町の富士本栖湖リゾート内にあります。
「富士芝桜まつり」と同じ会場です。
Q.いつ開園した庭園ですか?
2022年4月16日に開園しました。
今回の撮影は2026年8月6日なので、開園から4年以上が経過した庭を撮影しています。
Q.2026年はいつまで見学できますか?
公式サイトでは、2026年4月11日から11月23日までの開催予定と案内されています。
天候や営業状況などが変わる可能性もあるため、訪問直前に公式情報をご確認ください。
Q.入園料はいくらですか?
2026年8月28日までは、公式サイトで入園料・駐車場ともに無料と案内されています。
時期によって料金が変わるため、別の時期に訪れる場合は公式サイトで最新情報をご確認ください。
まとめ
ピーターラビット™ イングリッシュガーデンを歩いて感じたのは、自然らしい庭ほど、人の手や意図が見えにくいという面白さでした。
植物をただ伸ばすのではなく、手を入れながら自然に見える景色をつくっていく。
そして植物が成長することで、その景色も毎年少しずつ変化していきます。
今回撮影したのは、開園から4年を経て植物が庭に馴染み始めた2026年夏の姿です。
実際の植栽の広がりや、園内を歩いたときに感じた静けさは、ぜひ動画でもご覧ください。
そして次に庭や公園を歩く機会があったら、「これは自然にできた景色なのか、それとも自然に見えるようにつくられた景色なのか」と、少しだけ観察してみてください。
庭を見る楽しみが、もう一つ増えるかもしれません。

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