ピーターラビット イングリッシュガーデンを庭師が歩く|自然に見える庭のつくり方を考える

オモシロ植木雑学

山梨県の富士本栖湖リゾートにある「ピーターラビット™ イングリッシュガーデン」を歩いてきました。

春の「富士芝桜まつり」で知られる場所ですが、芝桜の季節が終わったあとも、約300種類の草木や花々が広がる英国式庭園を楽しむことができます。

庭師として歩いていて特に面白いと感じたのが、「自然に見える庭は、本当に自然なのだろうか?」ということでした。

植物が自由に伸びているように見えても、そこには人の意図があります。今回の庭を歩いて感じたのは、イングリッシュガーデンの魅力は「放置された自然」ではなく、人が思い描いた理想の自然を庭として表現しているところにあるということです。

この記事では、ピーターラビット™ イングリッシュガーデンを実際に歩きながら、自然に見える植栽、庭の成長、ピーターラビットの世界観とのつながりを庭師の視点で紹介します。

動画でピーターラビット イングリッシュガーデンを歩く

動画では、実際の庭園を歩きながら、ピーターラビットの世界観、植物が成長して庭に馴染んできた様子、そして「自然らしい庭はどのようにつくられているのか」を庭師の視点から観察しています。

写真だけでは分かりにくい園内の空間のつながりや、道を曲がった先に広がる景色、実際に歩いたときの静けさも映像で確認してみてください。

動画では、特に次の点に注目すると庭の見方が変わってきます。

  • 直線ではなく、自然に見えるようにつくられた植栽や空間のライン
  • 開園から年数が経ち、植物が周囲の環境に馴染んできた様子
  • ピーターラビットの世界観と植物・道・施設のつながり
  • 一見自然に見える景色の中にある、人の意図や管理の痕跡

ピーターラビット イングリッシュガーデンとは

ピーターラビット™ イングリッシュガーデンは、山梨県南都留郡富士河口湖町の「富士本栖湖リゾート」内にある英国式庭園です。

2022年4月16日に開園し、庭園のデザイン監修を手掛けたのは、英国リンカンシャー出身のガーデンデザイナー、マーク・チャップマン氏です。

園内では約300種類の草木や花々とともに、ピーターラビットをはじめとするキャラクターや、『ピーターラビットのおはなし』の世界観を楽しむことができます。

庭園だけではなく、ストーリートレイル、ショップ&ギャラリー、展望塔なども設けられています。

イングリッシュガーデンは「放置された庭」ではない

今回、庭師として最も伝えたいと感じたのがこの部分です。

イングリッシュガーデンの自然らしい景色を見ると、「植物を自由に伸ばしているのかな」と思うことがあります。

しかし、自然らしく見えることと、何もしないことは同じではありません。

歴史的な英国のランドスケープガーデンは、幾何学的で左右対称な構成を特徴とするフランス式庭園とは異なり、不規則さや自然を思わせる景観を取り入れて発達してきました。

つまり、「自然っぽく見えること」そのものが庭のデザインの一部なのです。

自然に見える庭ほど人の意図が隠れている

実際の自然には、完全な左右対称や、定規で引いたような直線はほとんどありません。

だからこそ、人が庭の中で自然らしさを表現しようとすると、かえって難しくなります。

  • 曲線をどこに持っていくのか
  • 植物をどこまで伸ばすのか
  • どこを整理して、どこを残すのか
  • 道を曲がった先に何を見せるのか

こうした判断の積み重ねによって、自然に見える庭の景色がつくられていきます。

私なりに表現するなら、イングリッシュガーデンの面白さは、「人が思い描いた理想の自然」を庭として形にしているところにあります。

開園から年数を重ねて庭そのものが育っている

ピーターラビット™ イングリッシュガーデンが開園したのは2022年4月です。

庭は完成した瞬間が完成形ではありません。

植えられたばかりの植物は、一株一株が独立して見えます。しかし年数を重ねると枝葉が伸び、隣の植物との関係が生まれ、その土地の環境にも馴染んでいきます。

今回歩いていても、植物が育ったことで庭全体に厚みが出て、「この庭の顔」が少しずつできてきているように感じました。

建築物とは違い、植物を使った庭は毎年姿が変わります。以前訪れたことがある方が、数年後にもう一度歩いてみるのも面白い場所です。

ピーターラビットの世界観を植物と道でつないでいる

公式サイトでは、この庭園について『ピーターラビットのおはなし』絵本シリーズの世界観を楽しめる場所として紹介しています。

園内にはキャラクターを配置するだけではなく、細い道を歩きながら物語を楽しむ「ピーターラビット™ストーリートレイル」などもあります。

実際に歩いてみても、単に「ピーターラビットのキャラクターが置いてある庭」というより、植物や道、施設を含めて一つの世界をつくろうとしている印象を受けました。

庭園では植物だけを見るのではなく、「なぜこの場所に、この植物があるのだろう」「この道を曲がった先に何を見せたいのだろう」という視点で歩いてみると、設計した人の意図が少し見えてきます。

夏のピーターラビット イングリッシュガーデンは静かに歩けた

今回訪れたのは夏休み期間でした。

混雑を予想していましたが、私が散策した時間帯は人が少なく、30分ほど庭をほぼ一人で歩くことができました。

これはあくまで今回訪れた時間帯の状況であり、いつでも空いているとは限りません。

それでも、春の芝桜シーズンとは違う富士本栖湖リゾートの楽しみ方として、夏の庭園散策は魅力的だと感じました。

ピーターラビット イングリッシュガーデンの場所と訪問前の確認事項

所在地
山梨県南都留郡富士河口湖町本栖212
富士本栖湖リゾート

既存記事では、2026年の開催期間や入園料、駐車場、公共交通機関、カフェの営業状況なども案内しています。

これらの情報は時期によって変更される可能性があるため、訪問前には必ず公式サイトで最新の営業状況・開催情報・料金・アクセスを確認してください。

ピーターラビット イングリッシュガーデンでよくある質問

ピーターラビット イングリッシュガーデンはどこにありますか?

山梨県富士河口湖町の富士本栖湖リゾート内にあります。

「富士芝桜まつり」と同じ会場です。

ピーターラビット イングリッシュガーデンはいつ開園しましたか?

2022年4月16日に開園しました。

ピーターラビット イングリッシュガーデンでは何が見られますか?

約300種類の草木や花々に加え、ピーターラビットをはじめとするキャラクターや、『ピーターラビットのおはなし』の世界観を楽しめます。

ストーリートレイル、ショップ&ギャラリー、展望塔などもあります。

夏でもピーターラビット イングリッシュガーデンを楽しめますか?

今回の訪問では、芝桜の季節が終わった夏でも、さまざまな草木や花々、成長した植栽、庭全体の空間を楽しむことができました。

時期によって見られる植物や営業状況は変わるため、訪問前に公式情報を確認してください。

ピーターラビット イングリッシュガーデンまとめ|自然に見える景色にもデザインがある

ピーターラビット™ イングリッシュガーデンを歩いて感じたのは、自然らしい庭ほど、人の手や意図が見えにくいという面白さでした。

植物をただ自由に伸ばすのではなく、どこを残し、どこを整理し、どのような景色を見せるのかを考えながら、自然に見える庭がつくられています。

そして植物が成長することで、その景色も毎年少しずつ変化していきます。

実際の植栽の広がりや、園内を歩いたときの空間のつながりは、ぜひ記事内の動画でも確認してみてください。

次に庭や公園を歩く機会があったら、「これは自然にできた景色なのか、それとも自然に見えるようにつくられた景色なのか」と少しだけ観察してみてください。

庭を見る楽しみが、もう一つ増えるかもしれません。

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