蓼科バラクラの見どころ|日本初の英国式庭園を庭師目線で歩く
長野県茅野市の蓼科高原にある「蓼科高原 バラクラ イングリッシュ ガーデン」を訪れました。
1990年に開園した、日本初の本格的な英国式庭園です。
実際に庭を歩いて特に印象に残ったのは、しっかり人の手が入っているのに、どこか自然で「作りすぎた感じ」がしないことでした。
花の美しさだけでなく、植物が小径へ少し張り出していたり、建物や石が植物越しに見えたり、奥へ進むほど庭から森へ入っていくように景色が変化したり。
今回は、そんな蓼科バラクラを庭師の目線で歩きながら、なぜこの庭が自然でやさしく感じるのかを見ていきます。
蓼科バラクラとは?日本初の本格的な英国式庭園
蓼科高原 バラクラ イングリッシュ ガーデンは、ガーデンデザイナーのケイ山田さんによって1990年に開園しました。
ケイ山田さんは、もともとファッションの世界で活動し、英国へ服づくりの素材を探しに行く中で現地の庭園文化に触れました。
その体験をきっかけに、日本にも本格的な英国庭園をつくろうと考え、英国の専門家たちの協力を得ながら誕生したのが蓼科バラクラです。
約1万平方メートルの敷地には、レースガーデン、バラのパーゴラ、メドウ、ブルーガーデン、睡蓮の池、ハーブガーデンなど、それぞれ雰囲気の異なる空間が広がっています。
蓼科バラクラを動画で散策
なぜ蓼科バラクラは自然に見えるのか
園内を歩いていて感じたのは、植物がきれいに管理されているのに、形を揃えすぎていないことです。
花壇の植物が小径の方へ少し倒れていたり、歩くと植物に触れそうになる場所があったりします。
一般的には「歩きやすくするために通路から植物を離す」と考えがちですが、ここでは植物が人の側へ入り込んでくることで、庭の中へ自分が入っていく感覚が生まれています。
個人的には、こうした少し植物に触れながら歩くアプローチがとても好きです。
植物が主役になる人工物の見せ方
もう一つ印象的だったのが、ベンチ、アーチ、石、建物などの人工物が前面に出すぎていないことです。
例えば石や構造物も、すべてをはっきり見せるのではなく、植物の向こう側から少し見えるように配置されています。
人工物そのものを見せるのではなく、植物の景色の中へなじませているように感じました。
これは日本庭園にも通じる部分があります。
灯籠なども全体を見せるより、枝葉の間から一部が見えることで、かえって景色に奥行きが出ることがあります。
英国式庭園と日本庭園では見た目は大きく違いますが、植物を主役にして人工物をなじませるという考え方には共通するものを感じました。
蓼科バラクラは奥へ進むほど庭から森へ変わっていく
園内を歩いていくと、景色の雰囲気が少しずつ変化していくのも面白いところです。
入口や建物の近くでは、花の色や装飾も比較的華やかです。
そこから奥へ進むにつれて、ベンチやオブジェの色も自然になり、白樺などの樹木が多い落ち着いた空間へ変わっていきます。
さらに進むと、庭園を歩いているというより、森の中を散策しているような感覚になりました。
一つの庭の中で、華やかなガーデンから静かな森林空間へ自然につながっていく。その変化も蓼科バラクラの大きな魅力だと思います。
庭師目線で気になった植物と庭のつくり方
園内では、花だけでなく樹木も楽しめます。
シンボルツリーとして植えられた黄金アカシアのほか、ムクゲ、モミジ、白樺、ユリノキなど、歩く場所によってさまざまな樹木を見ることができました。
特に印象に残ったのは、樹木の枝を必要以上に小さく抑えず、比較的自由に伸ばしている場所が多かったことです。
植物を一つずつ鑑賞するというより、木、草花、小径、建物、背景の山まで含めて一つの景色として楽しめる庭になっています。
「この植物は何だろう」と見るのも楽しいですが、「なぜここに植えたのだろう」「なぜこの景色が自然に感じるのだろう」という視点で歩くと、庭づくりのヒントも見えてきます。
蓼科の風景まで庭の一部に感じられる
蓼科バラクラは標高約1,100mの蓼科高原にあります。
園内から周囲を見ると、背景には高原の樹木や山の景色が広がり、大きなビルなどがほとんど視界に入りません。
そのため、庭の境界線がはっきりせず、周囲の自然まで庭の続きのように感じられます。
植物だけではなく、この土地の気候や空気感まで含めて楽しめる場所だと思います。
蓼科バラクラの営業時間・料金・駐車場
蓼科バラクラを訪れる場合は、営業時間や料金が季節によって変わる場合があるため、事前に公式サイトを確認するのがおすすめです。
- 所在地:長野県茅野市北山栗平5047
- 基本営業時間:9:00〜17:00
- 入園料:大人1,200円、中学生以下無料
- 駐車場:無料・約200台
- 車:中央自動車道 諏訪ICからビーナスライン経由で約25分
※営業時間・入園料などは季節やイベントにより変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
蓼科バラクラについてよくある質問
蓼科バラクラは日本初の英国式庭園ですか?
はい。公式サイトでは、1990年に開園した日本初の本格的な英国式庭園として紹介されています。
蓼科バラクラはどのくらいの広さですか?
敷地は約1万平方メートルです。園内には複数のテーマガーデンがあり、景色の変化を楽しみながら散策できます。
花に詳しくなくても楽しめますか?
花や植物の名前を知らなくても楽しめます。小径や建物、ベンチ、樹木、周囲の自然まで含めた空間そのものが魅力なので、散策するだけでも庭の雰囲気を感じられます。
駐車場はありますか?
無料の大型駐車場があり、公式案内では約200台駐車可能とされています。
蓼科バラクラは「自然に見える庭」のヒントが詰まった場所
蓼科バラクラを歩いて感じたのは、植物をきれいに並べることだけが庭づくりではないということでした。
少し枝が飛び出していたり、植物が道へ張り出していたり、人工物が葉の向こう側に隠れていたり。
きちんと人の手を入れながら、植物が自由に見える余白を残すことで、やさしく自然な景色が生まれているように感じます。
花を見るだけでなく、「なぜこの庭は心地よく感じるんだろう?」と考えながら歩いてみると、また違った楽しみ方ができます。
ガーデニングや庭づくりが好きな方はもちろん、植物や自然の中をゆっくり歩きたい方にも、一度訪れてみてほしい庭園です。
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