【松の藁巻きで害虫対策】
やましたグリーンの代表庭師、山下力人です。
今日は、冬季の松のお手入れについてお話ししますね。
冬になると、葉の中に潜んでいた害虫が、越冬するために地面に向かって移動を始めます。その移動経路となる松の幹に、庭師は特別な仕掛けを施します。
まず、新聞紙を松の幹に巻きつけます。この新聞紙、実はただの保護材ではありません。実は、新聞のインクの匂いが害虫にとって非常に魅力的なのです。
そして、その上から藁を巻き付けることで、さらに害虫が好む暖かな環境を作り出します。この胴巻きが、害虫が冬を越す小さな住み家になるわけですね。
春先になると、この藁を取り除きます。その際、越冬している害虫も一緒に取り除くことができるため、これが害虫駆除にも効果的なんです。藁を燃やすことで、害虫を駆除し、松を健康に保ちます。
この方法は、昔から伝わる日本の賢い伝統です。冬の寒さに強い松ですが、害虫から守るためにはこのような手入れが大切ですね。伝統的な技術は、単に景観のためだけではなく、実用的な効果を発揮するものがほとんどです。寒い冬も、お庭を美しく保つために、伝統の技術を楽しみましょう。